【フランス:ロザリオ礼拝堂】アンリ・マティスの集大成

ロザリオ礼拝堂とは、フランスのヴァンスという街にある小さな教会です。ニースから車で30分程で到達できます。

どうしてその小さな教会が有名なのかというと、デザインをしたのがアンリ・マティスというフランスの画家だからです。

わりとマイナーだと思うその場所に行ってみたので、紹介したいと思います(^^)。

ロザリオ礼拝堂の全体感
  • 所要時間:1時間
  • おすすめ度:★☆☆

ロザリオ礼拝堂とアンリ・マティス

アンリ・マティスとは

アンリ・マティスとは、フランスの画家で、線や色を単純に描くことを極め、後年は切り絵という手法にも到達した人です。

絵画に詳しくない私みたいな方でも、アンリ・マティスの作品は見易いです。なぜなら複雑な筆のタッチや色使いを見極める能力がなくても、そのデザイン的良さがスッと伝わってくる画風だからです。

先に教会の中で見つけた、アンリ・マティスの言葉を紹介させてください。それが万人に絵の良さが伝わる理由を説明していると思ったからです。

「私はたくさんの下絵を描いた、対象を何度も何度も描いた。自分の内側にそれを本当に感じることができるまで」

つまり、アンリ・マティスは何かを描くとき、その本質をとらえる準備を入念に重ねていたということです。その作業により、対象の根幹の部分、一切の枝葉を取り除いた部分を見極め、それから描き始めたのです。

これを知ると、素人目でも彼の絵を楽しめる理由がなんとなく分かってきますよね(^^)日常の中でも、自分の知らないことを教えてもらう時は、なるべく簡単に話して欲しいと思いますから。アンリ・マティスは絵画でそれをしてくれているのだと思います。

一般的には、画家はデッサン(スケッチ)から学び始めると聞きます。しかし、私たちが見るのは、その修行を終えた後の完成された絵ばかり。そこを通り越して、再び線描を極めた作品を創出してくれたアンリ・マティスは、素人に親切な画家だと思います(O^^O)。

ロザリオ礼拝堂

この礼拝堂は、アンリ・マティスが無償で4年かけてデザインしました。亡くなる3年前に完成して、彼自身も生涯の作品の集大成と考えていました。

なぜ無償なのかというと、彼が重病を患った時にお世話をしてくれた看護師が、ここのシスターだったからです。そのシスターは、第二次世界大戦の空襲で焼け落ちた教会の再建を任され、アンリ・マティスのアトリエに相談したそうです。しかし、この時の2人の再開は偶然だったそうで、運命というのは不思議なものです!

アンリ・マティスの作品コーナー

中は大きく分けて、アンリ・マティスの作品コーナーと、作品そのものの礼拝堂です。まずは作品コーナーを通ります。

白い壁に、床は大理石。そこに彼の作品が並んでいます。その作品は不思議で、数えられる程度の線しか使っていないのにもかかわらず、絵の中の情景を脳内で再生することができるのです。線を使って、線が無い部分の空間も同時に描いているのです。

人の感情、物の質感、場の空気。そういったものは突き詰めていくと、ただの線に集約され得ると知り、とても面白かったです。

ぱっと見は自分でも描けそうな気がしましたが、やっぱり無理です 笑。

礼拝堂エリア

礼拝堂内は残念ながら写真撮影が禁止でした。なので、公式HPから引用させて頂きます。

中はこのように、青・黄・緑のステンドグラスと、壁画がありました。とても優しい雰囲気が漂っていました。限られた柄しかない空間なので、心が落ち着きます。壁の絵やステンドガラスをぼんやり眺め、その意味を想像したりして過ごしました。

ステンドグラスと言えば、カラフルで、赤など使いそうなものです。

ニースで見たシャガールのステンドグラスも、青を基調としていましたが、挿し色で赤が入っていました。

使われている3色と植物の輪郭によって、写真ごしでも柔らかい雰囲気が出ていると思います(^^)。

以上がアンリ・マティスの世界でした。原田マハさんの小説、ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)の中の「美しい墓」で、この場所が描かれています。ご興味がある方は読んでみると面白いですよ(^^)。

END

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