ドイツは寒い日がちらほら出てくる時期になりました。そろそろ「ハイツング」を付けっぱなしにする時期が始まりそうです。「ハイツング」とは、いわゆるセントラルヒーターのことで、ヨーロッパ中で使われる暖房システム。最近は北海道の住宅にも取り入れ始めたとか(^o^)。
さて、日本ではエアコンを使うのが一般的だったので、私はドイツに来てハイツングを始めて使いました。そういうわけで、ハイツングの仕組みや利点が気になり、色々知らべました。その結果をまとめたいと思います!
目次
ハイツングの概要
ハイツングは基本的には窓の真下に配置されています(お風呂場など、窓が無い場所は例外)。見た目はどれも似たり寄ったりで、凸凹した金属です。この金属が熱くなることで、部屋の温度が上がる仕組みになっています!
構成はとっても単純。
凸凹の形をした部分が「ラジエーター」。ラジエーターに壁や床から繋がっているパイプがあり、そこには温度調整用の「バルブ」が配置されています。
そして、これらのパイプは「ボイラー」に繋がっています(ボイラーとはお湯を作る装置です)。ボイラーはアパートに1つ、もしくは家に1つです。1つのボイラーから各部屋に配管しているので、この仕組みを「セントラルヒーター」とも呼びます。
ボイラーから来たお湯がラジエーターを温め、ラジエーターが部屋の空気を暖める。バルブは温度を調整します。
ハイツングの仕組み
ハイツングは基本的に窓の下にあります。もっと人に近い所の方が良いのでは?とも思ってしまいます。しかし、これにはもちろん理由があります。
それは、部屋の中で一番薄い部分が「窓」だということです。つまり、外の冷たい温度が部屋の中に一番伝わってくる場所なのです。
暖かい空気は上に向かう性質があります。よって、窓の下に配置することで、一番冷たくなる場所を直接温めることになります。すると、部屋の中の温度が均一になり易く、「窓に近づくほど寒くなる」という不快な現象が起きなくなるのです!
バルブには目盛りがあり、数字が大きいほど熱くなります。それだけでどうやって?と言う疑問が湧いてきますよね。
それは、このバルブはサーモスタットと言って、設定温度(=目盛り)に達するにつれ、お湯の流れを減らしていく機構が備わっているのです(`・∀・´)エッヘン!!
その機構はアナログです!バルブの中にはバネが入っています。そのバネは、温度が高いと伸びて、低いと縮む性質があります。バネが伸びるとパイプが蓋される(=お湯が流れなくなる)という仕組みなのです!!
バルブの目盛は、設定温度を変えるのに使います。回すと中のバネの位置を変えられます。例えば、仮に寒くてバネが一切伸びてない時でも、バネそのものを動かせばお湯の流れを閉じることができるというイメージです。
なぜ温めた空気ではなくて、温めた水を通すのでしょうか。それは、ボイラーからラジエーターまで遠いからです。
水は空気より冷めにくいという性質があります。なので、空気だとラジエーターに届くまでに冷えてしまうけれど、温水だと温度を保ったままちゃんと届くのです。難しく言うと、水は空気より比熱が高いので、熱効率が良いと言えます。
ハイツングの特徴
仕組みが分かったところで、ハイツングの利点についてまとめてみます。
- 火ではないので、一酸化炭素中毒の危険性がない。また、火事のリスクがない。
- 静か。
- 風を出さないので、ホコリが舞わない。
- 濡れタオルをかけとくだけで、乾燥を防げる。
気になる値段ですが、ボイラーでお湯を炊くので、残念ながらそんなに安くはないです。ガス代もしくは灯油代が普通にかかります。。。風呂にお湯を張るようなものですね(*o*)。
安くするコツは、ON/OFFを繰り返さないことです。一旦部屋の壁や床が冷え切ってしまうと、温め直しにかなりエネルギーを使います。なので、冬の間は付けっぱなしが基本です。
ドイツでは、年に1回、業者がメーターチェックに来ます。各部屋のラジエーターについているメーターを取り外して、新しいメーターを置いていきます。(新しい建物だと、遠隔から読むシステムもあるようです)
以上がハイツングの紹介になりました(^o^)。
ヨーロッパではどの部屋にもあるので、旅行したら見かけるのは間違いないと思います。小難しい説明もあったかもしれませんが、ここまで読んで頂きありがとうございました(^^)/
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