”シャンパン” スパークリングワインの中でも、フランスのシャンパーニュ地方で造られたものだけが名乗れるその名前。その地方の中心に位置するのは、「エペルネー」という小さな街。歩いても余裕で周れるその小さな街に、シャンパンワイナリーが軒を連ねています。
目次
~エペルネーという街~
この街にくる観光客のほとんどは、ワイナリーを見学することが目的です。ワイナリーの中でも特に人気なのは、モエシャンことモエ・エ・シャンドンです。知名度抜群、誰もが知るシャンパン銘柄ではないでしょうか。予めツアーを予約して、その時間まで街をぶらついて見るのが面白いです。
この街をぶらぶらしていると、どこのレストランやカフェでも、シャンパンのメニューを置いているようです。軒先のお洒落なメニュー黒板に"Champagne"と書かれているからです。
ふらっとパン屋に立ち寄ると、そこにもシャンパンのメニューがあります。シャンパンをメニューにしているパン屋がこの土地以外にはまずないでしょう。昼食がてら、シャンパンとパンという、優雅な組み合わせを試してみました。

500円くらいのグラスだったので、それほど期待していないかったのですが、これがまた普通に美味しい。本場のシャンパンとなると、こうまでレベルが違うのかと唸ってしまいます。。。
ちなみに、日本でも見かける「PAUL」というパン屋でした。フランスにいると、日本のラーメン屋くらい頻繁に見かけるチェーンですが、パンのクオリティは相変わらず高い。シャンパンと良く合います。
~モエシャンツアー~
さて、ツアーの時間になりました。ワイナリーのエントランスへと向かいます。その途中ではシャンパンを発明した偉大な人物、ドン・ペリニョンさんに挨拶をしましょう。あの「ドンペリ」は、この人の名前から来ていたのですね。発明といっても、最初は偶発的に瓶の中でワインが発酵して、シャンパンが誕生したのだそうですが。

ツアーは、モエシャンの歴史を説明するムービーから始まります。ルイヴィトンとモエ・エ・シャンドンが合併して、LVMHグループができたのだとか、知ってそうで知らなかった知識が入ってきて楽しいです。
ムービーが終わると地下の貯蔵庫へと入っていきます。この土地の地下の温度や湿度はシャンパンの醸造に適しているそうです。地下は迷路のようで想像を超えるくらい広いです。


シャンパンを作るための道具や、実際のボトルを見学しながら、ガイドさんが作り方を説明をしてくれます。分かりやすく教えてくれるのですが、事前にネットで予習していた方がすんなり入ってくるので、それをお勧めします。
ではでは、ツアーの最後を締めくくるのは、試飲タイムです。ツアーを予約する時に、試飲したいワインも含めてツアーを選んでいます。私の場合は、ベーシックなモエシャンとロゼを試飲できるツアーにしていました。


とてもゴージャスな部屋で試飲をさせてもらいます。金屏風はルイヴィトンを想起させるデザインです。
普段モエシャンを飲まないので味を知らなかったのですが、すっきりとして、甘さ抑えめの、品のある味わいでした。口の中でパチパチはじける泡も、コーラのそれとは違い、繊細ながらも強く舌にその存在をアピールしてきて、とても貫禄を感じます。。。パン屋で飲んだシャンパンの方が好みだったとか、口が裂けても言えません 笑。
~シャンパンについて学んだこと~
最後に備忘録もかねて、ワイナリーでシャンパンについて学び、印象に残ったことを書きます。
- シャンパンとはシャンパーニュ地方で造られたものだけが名乗れる。
- シャンパンとシャンパーニュ地方は世界文化遺産に登録されている。
- 普通のワインをイギリスに輸出した時に、輸出先で偶然発砲したことをきっかけに発明された。
- 安定した品質を保つため、複数の年や畑のブドウをブレンドして作る。
- ボトルの中でワインを発酵させることで発砲する仕組みなので、後から炭酸を足したりしていない。
- 発酵が終わった後のボトル内に残っている澱(カスのこと)を瓶口に集めるため、瓶を下に向け、1/4回転ずつ瓶を回す。3か月くらいかかるものもある。(途方もないので、今は機械化もされている。)
- 瓶口に澱が溜まったら、瓶口を瞬間冷凍して、開封して取り出す。
普通のワインのワイナリーにも訪問したことがありますが、シャンパンは特別な製法が色々あって、聞いてて楽しかったです。スパークリングワインとごっちゃにしていたことが申し訳なくなりました。シャンパンには普通のスパークリングワインよりもかなり拘りがあることが分かったからです。
造られている場所、またその製法を知ってから飲むと、シャンパンのありがたみがとても分かるようになりました。勝手に一皮剥けた気分になります 笑。時間に余裕があれば、パリからも日帰りで行ける距離なので、ワイン好きの方に是非おすすめしたい街です。
美泡の街、エペルネーでした。
END