ドイツのケバブが物語ること

ドイツと言えば、あちこちでソーセージが売っている。と思っていると、意外とそこまでではないです。もちろん、他国よりも数は多いですが、それよりもっとよく見るお店。それが、ケバブ屋"です。

ドイツのケバブ

多いって、一体どれくらいケバブ屋があるのでしょうか。私の感覚で恐縮ですが、日本のラーメン屋くらいあります!

そして、日本でいう一般的なケバブだとトルティーヤで包んでいるイメージですが、ドイツだとパンで挟んでいます。なんというか、ハンバーガーみたいな感じです。ファストフードとして、ドイツ人があちこちで食べていますね。

ちなみにケバブが愛される理由は以下だと私は思います。

  • 安い(500円くらい)
  • 早い(並んでなければ1分くらい)
  • 量が凄い(大食漢じゃなきゃ苦しいくらい)
  • 野菜がたっぷり!
  • 肉の旨味っ!

私の家から徒歩10分以内に、4件くらいケバブ屋がありますが、どこも昼時は混んでいます。店によってもちろん味が少しずつ違うので、皆お気に入りを持っているようです。私も最初は色々試しましたが、最終的には1件に通い詰めるようになりました。カロリーに怯えて、週1くらいにセーブしていますが 笑。

どうしてドイツでケバブ?

移民の背景

さて、素直な疑問だと思うのですが、どうしてドイツにケバブ屋が多いのでしょうか?

ケバブといえばトルコという印象があると思います。少なくとも中東とかのイメージですよね。実はこれには深い理由があります。

それは、ドイツは戦後の復興のために、安い労働力を求め、他国から多くの移民を許した時期があったのです。そのことで、トルコからの移民が大量に流入して、現在では、ドイツの人口の約2%をトルコ系の人々が占めるようになっているのです。そして、ドイツの人口の1/4は移民の背景を持っているそうです。(移民の背景とは、2世や3世を含めてという意味です。)

実際にケバブ屋に行くと、店員さんはほぼ100%がトルコ系です。(私は中東の方を正確に区別できないので、トルコじゃない可能性もありますが、少なくともドイツ系ではないことは確かです。)

移民のことで聞いた話

最近の知り合いの話なのですが、奥さんがトルコ系の方でドイツに住んでいて、その旦那さんがトルコ人でトルコに住んでいるという方がいます。この夫婦は結婚することで、旦那もドイツのVISAを取得し、ドイツに引っ越してくる予定でした。

しかし、そこで問題が発生しました。なんと、VISAの申請が通らなかったのです。通常の感覚だと、国際結婚した場合は、どちらかの国のVISAは簡単に通りそうなものです。では、どうしてこうなったかというと、その背景には、ドイツにすでに移民が多すぎるという問題があるようなのです。

移民の社会問題として、移民の方々がドイツ系の方と同じような生活水準になっていない実情があったり、そのために治安が悪くなってしまうケースがあったりするのだそうです。ドイツ政府が簡単に移民を増やせない複雑な状況なのです。

その方の話では、知り合いも同じ境遇の方がいたらしくて、その夫婦は法廷で争うことで、VISAを手に入れることができたそうです。しかし、この場合は弁護士費用などがかかるので、誰でもできるわけではありません。(余談ですが、ドイツは意外と訴訟大国です。)

他人の込みいった事情なので、あまり深くは聞いてないのですが、VISAを取得できる条件は色々あることが推察できます。その方たちが、一日でも早く一緒に住めることを祈るまでです。

ドイツで流行りのゲミューゼケバブ

少し暗い話になってしまったので、最後にドイツで流行りのケバブを紹介させてください。ネットで調べるとたくさんヒットし気になったので、行ってみることにしたお店です。

場所はベルリンにあります。私の住んでいるところからだと、車で4時間ちょっとかかりました。ケバブのためにこの道のりは長すぎる 笑。

そして、店の前に着いて唖然とします。なんだこの行列は。。。。

この行列に2時間並びました。1時間は覚悟していたのですが、2時間は長すぎる。。。店員さんが急ぐ気配もなく、ゆっくり作業しているのも悲しくなります。

時間帯もお昼を外していったのにこれです。私の後も、ずっとこのくらいの長さが続いていました。さすがドイツで一番ホットなケバブ屋です。。。

何はともあれ、やっと手に入れたケバブ。ゲミューゼケバブの「ゲミューゼ」とはドイツ語で「野菜」という意味。もちろん肉も入っていますが、どうやら特徴は野菜を素揚げしていることのようです。

素揚げした野菜とシャキシャキの野菜が両方詰められてますが、素揚げの野菜がジュワーっと甘くなっていて、そのオイリーさが、パンにしっとりと染み込んで一体化しています。

コレ、本当にめちゃくちゃ美味しかったです。また食べたいです。食べたいけれど~、私の忍耐だと15分待ちが限界ですかね。ベルリンまですでに4時間かかってるし 笑。

家に帰って近くで食べられないか探しましたが、このタイプのケバブ屋は見つかりませんでした。そんなに難しくなさそうだから、誰かやってくれないかな 笑。

ケバブから色々話が派生しましたが、とにかくケバブは最高ってことです!!

END

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