この街は、かつて中央ヨーロッパの中心都市の1つでした。今でこそウィーンやプラハと比べると、無名に近い存在かもしれません。しかしながら、観光地としてはとても魅力的な街です。
ポーランドと言えばワルシャワだと思う方も、時間が許せばぜひ訪れてみるべきでしょう。最初の12個の世界遺産に選ばれた、唯一無二の大聖堂が待ち受けています。
目次
~ヴェリチカ岩塩坑~
ここはクラクフにある、岩塩の採掘場。そもそも、岩塩の採掘というイメージがないままに訪れました。
小高い丘の中にエントランスがあり、そこからガイドツアーがスタートします。入ってみるなり、どんどん階段を下っていきます。なんとこの丘の中が、人間が岩塩を掘り進んだことにより、巨大な地下空間になっているのです。たとえは悪いですが、自分がアリになった気分です。
深さは地下327メートル全長は300km以上に及ぶそう。
池も広がっていて、その周囲を回廊が続いています。地底湖というのでしょうか。壁は透き通った白です。成分が塩なので当然でしょう。
このような空間が多数あることから、途方もない時間をかけて、掘り進んだことが伺えます。当時は岩塩がとても貴重だったのでしょう。
ガイドさんに従って抜けていくと、急に目の前に巨大な空間が現れます。ここがメインの場所です。
その場所はにわかには信じられません。岩塩を削って巨大な大聖堂を作ってしまっていたのです。
どうしたらこんなことが可能なのでしょうか。現代のように重機でガリガリしたわけではないのです。当時は、馬が塩を引いていたと説明を受けました。
壁は塩の結晶なので、透明がかっています。その中で光が乱反射し、聖堂全体が幻想的な雰囲気になっています。最後の晩餐の絵まで作りこまれ、大胆ながらに緻密で精巧な聖堂になっています。
これが最初の世界遺産にならないわけがない。
~もう一つのダヴィンチ~
この街には、もう一つ、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品を見られる場所があります。こちらは本当に彼が筆をとった絵画になります。
それが見られるのは、クラクフ国立美術館です。
白貂を抱く貴婦人という作品です。ダヴィンチの絵は、あの有名なモナ・リザを含み、女性を描いたものはわずか4作品しか現存していないそう。その貴重な作品の一つです。
女性の肌の柔らかさと、白貂(シロテン)という動物の毛並みの柔らかさが伝わってきます。女性には気品があり、動物を愛しく思う気持ちも醸しています。
この絵、不思議と見入ってしまいます・・・。
~星のような聖マリア教会~
街の中心の広場にある聖マリア教会です。
中の装飾がとても綺麗です。教会の天井がブルーなのは初めて見ました。また、そのブルーに浮かぶ金色の模様がまるで星のよう。
祭壇を取り囲む壁にも、ブルーと黄金色の彫刻や模様が施され、星空に溶け込んだような高揚感があります。
教会を普段見ない方でも、ここは訪れた方が良いでしょう。アートとして楽しめます。
~名物料理~
Pod Aniolami(ポッド・アニオワミ) でポーランド料理を頂きました。
ピエロギは餃子のようなものです。ただし、餃子ほどモチッとはしていないです。中のタネの種類は豊富です。この店では、5種類楽しめるメニューがありました。それぞれ、チーズ、ハーブ、野菜、肉などが入ってましたが、味付けは餃子と違って何種類かのスパイスが使われているようでした。餃子とエスニックの融合のような感じでしょうか。大変美味しかったです。
右の深紅のスープが気になりますよね。こちらはボルシチです。これほど透き通ったボルシチは初めてでした。ボルシチとはビーツ(赤かぶ)を使って作られます。根菜のような香りはしますが、土臭いということもなく、上品な甘みがありました。
塩の大聖堂が必見&料理がとても美味しい街でした。
END